Other crafts ⁄ 諸工芸
ガラス、七宝、砡、硯、截金、象牙などです。それぞれに長い歴史と伝統にささえられた特色ある工芸の技法で、日本伝統工芸展では「諸工芸」のジャンルとして展示されています。
-
ガラス
珪砂という原料を高熱の窯で熔かして形を作り、模様を削り出します。 -
七宝(しっぽう)
金属で作られた形にガラス質の釉薬で模様をつけて窯で焼きつけます。 -
砡(ぎょく)
模様がある瑪瑙や、水晶などのかたい石を削って形を作ります。 -
截金(きりかね)
金箔を線や四辺形に細かくきっえ接着剤ではりつけ模様をつくります。 -
硯(すずり)
もとになる石をノミで硯の形に彫り出し、砥石でみがいて蝋や漆を塗って仕上げます。 -
象牙(ぞうげ)
象牙を材料に動物の形だどを彫刻し、植物染料で染めて作ります。
Techniques / 技法
ガラス
切子(カットガラス)
回転するグラインダーにいろいろな形の砥石やダイヤモンドホイールをつけて、器の形に作ったガラスの表面に押し当てて、幾何学模様や曲線を削り出します。細かい砥石で模様を整え、みがきあげて完成します。江戸切子、薩摩切子が知られています。
エナメル絵付け
器の形に作ったガラスの表面に、エナメルの絵の具で模様を描きます。600度くらいの低い温度の電気炉の中で焼きつけます。エナメルは焼くと表面がつややかになります。
七宝
硯
硯は、筆を使って文字を書くための墨をする用具で、墨をすりながら心を落ち着かせる大切な文房具でもあります。材料の石から硯となる形に大まかに切り出し、長い柄のノミを使って、墨をするたいらな部分や墨がたまるくぼみを彫って形を作ります。完成した形に漆やロウを塗って仕上げます。
山梨県の雨畑石(粘板岩)や山口県の赤間石(輝緑凝灰岩)、愛知県の鳳来寺石(頁岩、粘板岩)などが代表的な石です。
截金
もともとは仏像などを美しく飾るための技法でしたが、現代では飾箱等の工芸作品がつくられています。
截金作品のつくり方は、まず、金を薄く紙のようにのばしてつくる金箔を、炭火で焼いてはり合わせ、厚みを出します。はり合わせた金箔を竹の刀で線や四角・三角などに細かく切ります。
筆を使い、模様の形に金箔をはって完成します。
象牙
象牙とは、象の牙のことです。適当なかたさと粘り、美しいつやがあるので、江戸時代には象牙を細かく彫刻した根付(ストラップのようなもの)が流行しました。
直径15センチほどの象牙をノミとやすりを使って形を作ります。表面の凹凸を小刀でなめらかに削り、みがき粉や鹿の角粉でみがき上げます。
また、仕上げた象牙を赤や青に染めて、その上から細かい線の模様を彫る撥鏤という奈良時代の技術が復元され、工芸作品がつくられています。