わた辺 きょうこ

泥七宝・泥の華文十二陵蓋物 ドロシッポウ・ドロノハナモンジュウニリョウフタモノ

  • 七宝
  • 高さ7.5 x 幅20.0 cm
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泥七宝
泥の組成は陶芸釉の「白玉(フリット) 唐の土(鉛白) 日岡(硅石)」で元薬と言う
更に顔料を加えて調合した物が泥釉薬でマットな仕上がりになり、ガラス釉薬と全く違う特徴、質感が有る

分野 七宝
サイズ 高さ7.5 x 幅20.0 cm

わた辺 きょうこ Kyoko Watanabe

写真:わた辺 きょうこ

主旨 伝統とは!「伝承者が自己脱皮」し、新たな挑戦に取り組まないと立ち枯れる。重んじて創作目標に掲げる事こそ、物造りの精神と戒めて向かっている。 有線七宝 奈良・けんごし塚、日本最古の六角形模様の七宝から現在迄、葉や花びら、▽□の中に色を埋める事が何と!全く変わっていない? 敢えて脱皮する法として「玉」を流し色も流す方を考えついた。何等問題の無い手法である。が、その銀玉の10倍以上重いのを立っている花瓶に乗せれば当然重くて落ちる。 その落ちない工夫に平成3年から取り組み、挑戦してはやり直す繰り返しの年月。ヤット重い線が密着完成してもガラス釉よりも硬い太い銀の砥ぎ!太い銀線や線に焼き付いたガラスが欠けるなど、ほんの2~3ミリの傷で没、入選位はしたが失格。何個も何年にも渡り没にして来た事か!晴れて目的遂げ29回諸工芸展で没から脱皮した。 泥七宝 平成10年工芸会主催、工芸会正会員・桜井鶴也先生による泥七宝再現講習会より猛勉強の末、月刊・七宝芸術社の依頼で東京・北海道で泥講習会開催。顔料の弁柄にすっかり魅せられ「黒椿」を活かすシリーズに向かい、諸工芸展で「弁柄黒椿」で賞迄辿り着いた。岡山県高梁市吹屋弁柄の里から2回もの弁柄個展の歓迎を受け開催出来た。が、今後やるべき、残された大きい宿題である。 金工 有線七宝を志し、やり遂げる心算で花瓶1個も焼かぬ時に立炉・平炉を設けた。10年を経過した頃、新たな工夫に銀を生かしたく、如何に銀を有線に生かすか?取り組むか?挑戦に入った! 鍛金・彫金の道に入り(七宝しながら)奥山峰石・須戸章太郎・牧田良一先生方に8年に渡りご指導を受け工芸会、金工展・東日本展など3回の入選を果たせた。が、目的の銀胎に彫金を施し花瓶前後の正面を窪ませて泥七宝を銀のイブシの中に生かせ完成させた。 処が銀胎が訛って軟らかくなり少々の事でへっコム事が完成してから判ったのに8年掛かった。 が、玉流「銀玉」の重さを扱うのにこの8年が賜物で、それでも銀玉は落ちるのを繰り返し、修正が上手くなったからこそヤット完成した。 銀玉の色々な形、ソレゾレの砥を生かす工夫は七宝、未知の世界だけに何事よりも「強敵?」として日々向かって居る! 七宝一筋で生きているから!!